2020/12/04 12:00

イタリアといえば、思いつくのは、真っ先に思いつくこととして、

豊富な観光資源や食事がおいしいということです。2015年にミラノ万博が行われましたが、

その時のテーマも食でしたが、世界の食を牽引するオリーブ生産国として名高い国です。

年間生産量は一位をスペインに譲ってはいるものの、輸出量や消費量はナンバーワンです。

オリーブの品種もイタリアだけで600種類近くあるといわれており、地方で多様な種類が栽培され、

地方地域だけでなく、生産者レベルでも個性を競い合っています。

世界の食をリードしている国だけあり、オリーブオイルに対する影響力は大きく、オリーブオイルのトレンドを

産み出すのはいつもイタリア。オリーブオイルの流行やムーブメントは、たくさんある銘柄や製法から起って行き、

世界的な基準になっていくのがオリーブオイル業界の流れです。オリーブオイルが産まれたのは今から7,000年前ですが、

ヨーロッパ中に広げたのは、2,000年前のローマ帝国です。商業ベースでもオリーブオイルを重要な産業に育てていったのも

イタリアの風土が関係しています。イタリアは自他ともに認める、オリーブオイル界の世界のトップランナーともいえます。

大まかではありますが、イタリアのオリーブオイルの産地は、北部、中部、南部と分けることが出来ます。

それでは、各地方の特徴を見ていきましょう。



<北部;リグーリア州、ヴェネト州、ロンバルディア州>

フランスとの国境に当たる海岸線をリヴィエラ海岸と言いますが、このリヴィエラ海岸のあるリグーリア州は、

海岸線にアルプス山脈やアペニン山脈が迫る地形が特徴です。海岸線と山脈の間の僅かな平地と山地に分け入る

谷の傾斜地にオリーブが栽培されています。このリグーリア州で育つオリーブは、

フルーティーな香りを持つ繊細なオイルがとれます。



リグーリア州の東隣の州、ミラノが州都のロンバルディア州とその更に東隣のヴェネツィアが州都のヴェネト州の

間にあるリゾートとしても有名なガルダ湖の周辺は、北に位置する割には、温暖な気候のお陰で、

オリーブ栽培が盛んな土地の一つです。ここがイタリアにおけるオリーブ栽培の北限になります。

イタリア北部のオリーブオイルの特徴は、デリケートでフルーティーなものが多い所です。




北部の主要品種は、タジャスカというオリーブの種類で、マイルドでリンゴや花の香りがする繊細なオイルが

とれます。良く「タジャスカ」と品種名をわざわざ謳っている製品がありますが、繊細なオイルであることをアピールしている、

イタリア北部のオイルだと考えて良いと思います。

イタリア北部のオイルは、繊細な味を活かす為に、野菜のドレッシングに使われることが多く、サラダによく合います。

また、パンの原型と言われていて、日本にも入ってきているリグーリア州の名物フォカッチャとの相性はベストです。


<中部;トスカーナ州、ウンブリア州、マルケ州、ラツィオ州>

フィレンツェが州都のトスカーナ州は生産量は少ないですが、有名な産地です。

長い歴史を持つ由緒正しいブランドが多く、ワインの産地として有名な地方であることが関係しています。

実際、ワインメーカーの中には、良質なオリーブオイルを作っている所も多くあり、

イタリアの中でもトップクラスのクオリティのオリーブオイルを生産しています。



主要な品種は、非常に辛く、緑が濃い、ポリフェノールの含有量が多いモライオーロ、スパイシーで繊細なフラントイオ、

スウィートでフルーティなレッチーノの3種でモライオーロにフラントイオかレッチーノをブレンドして、

オイルが製造されています。トスカーナの西側は海に面していますが、海側は甘いタイプのオイルが製造され、

野菜サラダや魚介料理に向いています。トスカーナ東側の丘陵地は、青々とした草の香り、

アーティチョークやアーモンドの香りがあり、後味のピリッとした辛さがある強いタイプのものが多いです。

トマト系の料理や肉のグリルには最適です。

ウンブリア州やマルケ州ではトスカーナ州とほぼ同じ品種が栽培され、

同じように草の香りやスパイスの利いた後味が特徴ですが、マイルドさもあります。

ローマが州都のラツィオ州は、古くからオリーブの産地とされ、香り高い甘いオイルが作られ、

ローマ教皇のいる法王庁に献上されてきました。


<南部;プーリア州、カラブリア州、カンパーニャ州、シチリア州>

南部はオリーブの大産地で、イタリアの生産量のうち85%は南部産です。

なかでもプーリアはイタリアの生産量の35%を占め、ほとんどのイタリア人は、

プーリアと言えばオリーブオイルとイメージします。

プーリア州のオイルは、濃厚で香りが高く、辛さや苦みが強いものが多いです。

同じくイタリアの生産量のうち35%の生産量を誇り、生産量が上がっているカラブリア州のオイルは、

野性味のあるストロングタイプが多く、非常に個性的なオイルが多いです。



ナポリが州都のカンパーニャ州は、ギリシャ時代にさかのぼる産地があり、オイルの色も緑から黄色まで、

風味豊でバラエティに溢れています。産地はアマルフィのあるソレント半島です。

シチリア州はギリシャ植民地時代からの古い産地で、近年生産技術が発達しており、

最近の国際オリーブオイルコンクールで、シチリア産が賞を受賞することが多くなり、

産地としての評価や生産量と出荷量自体が高まっています。

総じて、イタリア南部のオリーブオイルは、全体的に重厚、スパイシーが代名詞で、

まろやかな風味が特徴であると言われています。気温が高いので、オリーブの実が熟しやすく、

濃厚でやや重めのオイルがよく生産されています。

主要なオリーブの品種は、苦くて辛いコラティーナや軽い苦みがあり野性的なオリアローラが典型種です。


イタリアのオリーブオイルもワイン並みに奥が深く、

色々なオリーブオイルがあります。もしイタリアのオリーブオイルに触れる機会があれば、

どこの種類のものか、興味を持って、調べてみるとおもしろいと思います。


(このブログの参考文献;「新 オリーブオイルのすべてがわかる本」奥田 佳奈子 著 筑摩書房)


私たちの扱っている、「イタリア デッロルト農園産 EXVオリーブオイル クラッシコ」は

南部カンパーニャ州の丘陵地帯の農園で作られている、こだわりの一品です。



こちらのオリーブオイルはイタリア産で、生産量世界第二位の国のオリーブオイルですが、

みなさんにイメージしやすい点としては、イタリア料理の代名詞になる、ピザの生まれ故郷である、

南イタリアのナポリの近くでできたオリーブオイルで、とても美食をイメージさせるオイルです。


実際に、オイルを日本でヨーロッパ料理のレストランを営んでいるオーナーシェフに

味見をしてもらうと、「まろやかで美味しい!」と大好評です。


イタリアでも大変希少な

家族経営の小規模生産者であることから、機械は使わずオリーブは全部手摘みで、なおかつ農園の中にある

27度と厳密に制御をした搾油機でコールドプレスをして、鮮度の高いままオイルに精製しているというところが強みなのです。

したがって、酸度も0.2%と低く、ほぼオリーブの生搾りジュースと言えます。

また、オリーブオイル農園は、普通は種を植えて木を栽培してオリーブを育てますが、

昔から自生している自然に近いオリーブの木から取れる実を多く使っているので、

大地の恵みをそのままオイルにしています。


また、日本で全く流通していないのはおろか、イタリアでも直売のエキストラバージンオリーブオイルなので、

とってもおすすめの一品です。


オリーブオイルのお買い求めは、こちらから!!