2020/11/25 12:11
オリーブオイルをもらったり、買ったりする機会が多くなり、
実際に口に含むと、「苦い・・・」「辛い・・・」というご経験をお持ちの方が多いと思います。
特に高いエキストラバージン(EXV)オリーブオイルを味わうと、苦さや辛さに戸惑いを覚える方もいらっしゃるかと思います。
私もスーパーで市販されているオリーブオイルには苦さや辛さが無いのに、
高級EXVオリーブオイルを初めて味見した時の辛さや苦さの衝撃は、まだ鮮明に覚えており、
「高級品だというのに、なんでこんなに苦しい思いをしなければならないんだ!!」と思いました。
いったいなぜ高級なEXVオリーブオイルは、苦さや辛さがあるのでしょうか?
これはなぜかというと、オリーブオイルの辛さや苦さは、オリーブの実に含有されているポリフェノールの成分量に
関係しているからなのです。
ポリフェノールとは、植物に存在する苦みや色素の成分で、人体の老化の原因となる酸化に対し、
抗酸化作用が強く、生活習慣病の原因となる活性酸素などの有害物質を無害に変える力がある成分です。
つまり、オリーブオイルを口に含んで、苦みや辛さがあるオイルは、オリーブの実の成分がそのままオイルに
閉じ込められており、良質だと言う訳です。ですので、初めてEXVオリーブオイルを味わった際に、苦みや辛みが多く、
驚かれる方も多いと思いますが、オリーブの栄養素がぎっしり詰まっていることの証であり、決しておかしなことではありません。
そもそも、オリーブオイルが産まれたのは、今から7〜8000年前と言われています。
日常使っている、ひまわり油や菜種油、パーム油などよりも歴史があり、古代から伝わっている食材で、
さすがに今は製油する際は機械を使いますが、製法や理論は古代から全く変わっていません。
しかしながら、ポリフェノールが多く、苦みや辛さが強いと舌がしびれたり、喉がひりひりしたりするのが苦手だという方も
いらっしゃると思います。ひとまず、「オイル」という概念で考えず、調味料と言う枠でEXVオリーブオイルを捉えて頂くと、
分かりやすいと思います。
イタリアンのレストランやスペイン料理のシェフの皆さんは、オリーブオイルは
「加熱用」「仕上げ用」と大きく分けて、二つに使い分けをしています。
「加熱用」は,火を使って調理する際に、フライパンにサラダ油のように使う、オリーブオイルです。
ただ、加熱用にEXVオリーブオイルはコスト的にも、味的にも使えないので、苦みや辛さのない少し安めのものを使います。
食材に火を通すというという作業は、火を通さないと食べられない食材に火を通すことで美味しくなる作業なので、
ここで辛さや苦さのあるオイルを使ってしまうと、食材の味が完全に変わってしまい、調理にならなくなってしまうからです。
ただ、本当に油なので、そのまま食べると胸焼けし、脂肪ばかりなので、食用には適しません。
一方で、「仕上げ用」は、でき上がった食材にひとかけすると、料理の質を高めたり、食材そのものを美味しくさせる効果があり、
辛さや苦さのある高級EXVオリーブオイルは、この「仕上げ用」に属します。
シェフによっては、肉料理や魚料理、パスタの仕上げ用、パンと一緒にサーブする用など、厳密に使い分けを
している方もいらっしゃるぐらいです。ですので、もし苦みや辛さが苦手であれば、
牛肉や鶏肉のグリル、魚介のパスタ、カルパッチョや刺身、フランスパンや卵がけご飯、
生野菜のサラダやトマトジュースに入れる等すると、苦みや辛さが消えて、相手の食材と上手く合い、美味しく感じると思います。
昔から、ヨーロッパの人たちは、EXVオリーブオイルを後がけの調味料扱いで考えて、
使ってきた食材なので、オイルという考えたかを一度止めて、調味料として捉えてもらえると、
使う幅が広がると思います。
それでは、どんなEXVオリーブオイルがおすすめなのでしょうか?
ちょっと苦みや辛さが苦手だけど、少し良いEXVオリーブオイルを使ってみたいという方に、おすすめなのが、