2021/09/24 11:00

パスタには、生のものと乾燥されたものの2種類が主に出回っていますが、

乾燥パスタの製造工程で最も難しいのは、乾燥の作業だと言われています。

天候をベースにして、光や温度、湿度などをはじめとして、気候条件が少しでも違うと、

同じ原料を使っていても、仕上がりや味に差が出てきてしまうのです。

パスタの乾燥に関して最も適している地方は、イタリアの南部で、自然乾燥が主流の際は、

ナポリ湾近郊の製造業者は、優位に立っていました。

日本でも最近よく耳にしますが、グラニャーノ産のパスタと産地を限定しているパスタが販売されています。

このグラニャーノとは、ナポリから車で南へ40分位行った所にある小さな町で、パスタの街として、

イタリア全土だけではなく、世界にも知られている有名な街です。



南イタリアで天候も安定している上に、海からも山からも近い高台にあることが、
パスタ作りの風土に適しており、パスタ製造にも向いているので、パスタの一大産地となりました。
街中は今はこんな感じですが、昔はパスタは天日干しされており、街の至る所でパスタの乾燥作業が見られたそうです。

                           




ここは、ローマ通りと言って、
街のメインストリートですが、
乾燥中のパスタで街が溢れかえったと、
言われています。

なぜ路上での天日干しがなくなったかというと、
車が通ると砂塵が舞って汚いことから、
衛生面で批判されるようになったため、
工場の中庭など、中の奥まった場所に
今は干して乾かしています。








今は、どのパスタ業者も工場の中に乾燥室を持っていて、そこで乾燥を行なっています。
天日干しをすることはありますが
でもそもそも乾燥の作業とはどんな感じなのでしょうか?
作業は基本的に3段階に分けられると言われています。

1.表面乾燥 ====> 天日干しで表面を乾かす
2. 水分の回復 ====> パスタを涼しい場所に戻し、1で硬くなった表面を軟化させる。
3. 最終乾燥 ====> 再び日差しに当てて、温度の変化と共にゆっくり乾燥させる




 押出機からしぼり出されたパスタは、竿や枠に掛けて、工場の中庭などで天日に晒します。
数時間もすると表面が薄い皮で覆われますが、この工程こそが表面乾燥です。
時間はパスタの形や空気の状態によって異なり、この薄い皮は厚過ぎても薄過ぎてもいけないので、
ちょうど良い頃合いを目視していないといけません。

表面乾燥が終わったパスタは、涼しくて風通しの良い場所に移します。
室温を15度ぐらいに保った場所で、水分を少し戻して、パスタを少し柔らかくして行きます。
今は、温度がコントロールされた、部屋の中でこの作業を行います。


ロングパスタは、できるだけとこに近づけて吊るしますが、ショートパスタは、
中程の高さに置いた枠を広げて、水分を少しずつ取り戻していきます。
画像の右側に写っている、密閉した空間にパスタを入れていくのですが、
涼しくて、外気の影響を受けず、なおかつ湿度も一定である場所に一晩置きます。
そうすると、パスタの表面から再び水分を含ませることで弾力性が回復し、パスタ自体がこの水分のおかげで固まります。
結果、全体的に硬くしなやかになるというわけです。

最終乾燥は、ショートパスタとロングパスタで方法が異なります。
ショートパスタは、初回の「水分の回復」のあと、しばらく室温になじませてから、
もう一度屋外に出して天日に晒します。そのまま数日間、再び完全に乾くまで待ちます。
ロングパスタは、さらに時間がかかり工程も複雑になります。
「表面乾燥」と「回復」を交互に繰り返す必要がありますが、
その際にできるだけ温度差が生じないようにしなければなりません。
室内では、パスタを竿にかけたまま、部屋の窓を適宜開閉し、温度や湿度を調整します。
したがって季節や1日の時間帯による温度変化に注意して、乾燥の最後の二段階で一定の温度の幅を
保つようにしているというわけです。

グラニャーノでは、近隣で販売する分に関しては、ショートパスタは約28日間かけて乾燥作業を行い、ロングパスタは、
夏場は12日間かけて行います。一方で輸出用は、輸送に時間がかかるので、念のためさらに数日かけて完全に乾燥させています。

いかに、乾燥がパスタの生命線を握っているかがお分かりいただけたと思います。
グラニャーノ産のパスタの商標を得るには、以下の7つの項目をクリアしたパスタのみが、
グラニャーノ産IGP(IGPとはヨーロッパ連合が認める、ご当地生産品の商標です。)を名乗ることができます。




1. グラニャーノの町で作られている。

2. 町の水源になるラッターリ山の水を使用している。

3. 水分は30%以下でできている。

4. ブロンズ製のパスタ成形機を使っている事。

(ブロンズ製を使うとパスタ表面に細かい溝が出来ざらざらになる事で、ソースと絡みやすくなるため。大量生産品は、回転速度を上げるためプラスチック製を使っています。)

5. パスタの最初の乾燥は40℃から80℃の低温で行われている。

6. 乾燥時間は6時間から6時間半と長時間行われている。

7. 最後の仕上げの乾燥は、常温で行うこと

とくに3、5、6、7は乾燥のことで全項目の半分以上が乾燥に関係していることです。
それだけ、乾燥はグラニャーノ産のパスタにとって質を左右する大切な工程なのです。




これだけ真摯な職人魂を持って作っているグラニャーノ産のパスタ、ペーペは、
イタリア人も絶賛するパスタです。グラニャーノIGPの認証の通り、イタリア人からも好評です。
イタリアでパスタをよく食べていた人も「グラニャーノIGPの中でも美味しいパスタだと思う」と絶賛!!

ぜひ本物味を味わってください!!
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