パスタは、イタリアの料理ですが、日本でも多く受け入れられて、
普通に食卓に出てきます。また明太子スパゲティのように、日本独自のアレンジもあったり、
パスタが大好きな方もイタリアに負けじと多いと思います。
パスタもイタリア国内でも地域色が強いですが、日本で言えばうどんやそばと一緒で、
例えばうどんであれば香川県、そばであれば長野県が美味しいなど、メッカとなる地域があります。
パスタのメッカといえばどこになるかというと、南イタリアのナポリです。
ナポリを代表する料理といえば、ピザですが、ナポリは、高級料理だった料理を
イタリア庶民が食べられるようにアレンジされる場となるだけではなく、
イタリアを象徴する料理と世界に認知されるようになる最高の立地となりました。
茹でたパスタについて、欧米で初めて書物に出てくるのは、5世紀ぐらいとされ、
18世紀ぐらいまでは、貴族など限られた階級しか食べられない高級食材だったと言われています。
なぜナポリがパスタの地位を押し上げたかというと、ナポリが属するカンパーニャ州の気候が、
パスタ作りに欠かせないデュラム小麦の生育に最高だったからです。
一年通して穏やかな海から来る風とヴェスービオ火山からの熱風が交互に吹くので、
パスタの乾燥に時間がかかり過ぎないため、カビが生える心配もない上、
かといって乾燥が早過ぎてひび割れもしない、小麦の栽培に理想的な土地なのです。
パスタのためにあるような地方の州都ナポリでパスタがブレイクしないわけがなく、
17世紀には、ナポリのパスタ店は、4倍以上に増加したらしいです。
18世紀には、マッケローニ(日本へはマカロニという名前になって入ってきました)
というパスタを茹でて、ペコリーノチーズをかけてサーブする露店がたくさんナポリの街のあちこちにできます。
これを露店で人々が今のようにフォークは使わず、手で食べるというのが、ナポリではおなじみの風景になったわけです。
たくさんの露店があるので、客引きのために、指でパスタをつまんで食べるテクニックを披露します。
こういったデモンストレーションをするには、インパクトが大事なので、様々な形のパスタを作ります。
中でも糸のように長いパスタ、スパゲティは大ブレイクをし、ナポリの庶民の生活の中での産物と言えると思います。
そして、ペコリーノチーズをかけるだけではなく、トマトソースやパスタの中に具材が持ち込まれて、
ナポリ市民の家庭の食卓に採り入れられていくというわけです。
パスタは、まさにストリートフードの先駆的存在でもあることをお分りいただけますよね。
第一次世界大戦までは、ナポリの郊外にある二つの町、トッレ・アンヌンツィアータとグラニャーノでは、
パスタ作りが大変盛んでした。この一部のパスタは船で、出稼ぎ労働者として、アメリカに渡ったイタリア人移民のもとに運ばれ、
それが、世界に広まったと言われています。ですので、パスタとともにグラニャーノ産のパスタも世界で
イタリアが誇る国の名産品となったわけです。
その中でもナポリらしいパスタといえば、海で取れる魚介、カンパーニャ州の土壌が育てるトマトと、
グラニャーノ産のスパゲティを使った、「スパゲティ・アッラ・ペスカトーラ」です。
ペスカトーラとは、イタリア語で漁師のことです。「漁師風のスパゲティ」という意味で、
もともとは傷があったり、雑魚などの売れ残った魚介をトマトソースに煮込んで食べていたスープを
スパゲティのソースに応用してできたものです。高級イタリア店でもあるメニューですが、
元々はナポリの生活の中で生み出された、クチーナ・ポーヴェラ(イタリア語で庶民料理の意味)ですので、
肩肘張らずに、作ってみると美味しくできます。
<材料;2人前>
オリーブオイル 大さじ1
ニンニク(みじん切り)1かけ
A.赤唐辛子(2等分して種を捨てる)1本
A. あさり(殻付き、砂抜き済み)200g
A. 白ワイン 50ml
A. トマト缶(ホール・潰す)100g
エビ(殻と背わたをとる)4尾
ヤリイカ(皮をむいて2cm幅の輪切り)80g
パスタの茹で汁 100ml
EXVオリーブオイル 大さじ1
塩 少々
イタリアンパセリ 2枝
<作り方>
1. ソースを作る。フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて弱火にかける。
香りが立ってきたらAを加えて中火にして、蓋をする。
2. あさりの口が開いたら、エビ、ヤリイカを入れて2分ほど煮て火を止める。
3. スパゲティを好みの硬さに茹でる。
4. 2を弱火で再点火する。
5. 4にパスタの茹で汁、パスタを入れて、EXVオリーブオイルを加えて、勢いよく混ぜる。
6. 塩で味を整えて、皿に盛って、パセリをふって出来上がり。
ぜひナポリの味を楽しんでください。
ナポリ発祥のパスタに合うパスタは、当然のことながらグラニャーノ産です。
高台になっていて、風通しがよく、パスタも乾燥しやすく、パスタ作りに合う水が手に入る、
グラニャーノの街で製造されているのはもちろんのこと、
水分は30%以下でできており、乾燥パスタでも小麦の美味しさがそのまま凝縮されています。
また、プラスチック製ではなく、ブロンズ製のパスタ成型器でパスタを作るので、パスタの表面に細かい溝ができて、
ざらざらになるので、ソースとも絡みやすくなります。
パスティフィーチョ・ペーペのスパゲティは、
細かいザラつきがあり、まっすぐではなく、少し曲がっていますが、これは手仕事の証拠で、工業製品ではない証です。
曲がっていて佐々月があることで、ソースや出汁とも絡みやすいのです。
また、自然の小麦を使ったものなので、健康にもよく、
消化が良く、お腹にも優しいパスタです。
それは素材だけではなく、パスタにとって重要な乾燥も6時間程度で、40度ぐらいの温度に保って、乾燥させて、
最後には常温でしっかり乾燥させ、昔ながらの美味しいパスタ製法をしっかり守って作っている、
超名作パスタです。
それもこれも南イタリアのグラニャーノの製造者の皆さんの情熱や
プロ意識の高さの賜物です。
ぜひペーペのスパゲティを使ってみてください。